行き詰まったら、一度戻って考え直します 荒井くんと市川くんの行列積の掛け算最小記録論文がThe International Symposium on Symbolic and Algebraic Computation (ISSAC) に採択されて、荒井くんが口頭発表をしてきました。1988年から毎年開催されている由緒正しい研究会です。Yamato Arai, Yuma Ichikawa, and Koji Hukushima“Adaptive Flip Graph Algorithm for Matrix Multiplication,”ISSAC ’24: Proceedings of the 2024 International Symposium on Symbolic and Algebraic Computation, July 2024, Pages 292 – 298 統計物理学の研究室としては主戦場ではないこともあり、ISSACはよく知らない会議ですが、土台とな...
Read Moreお知らせ
長野くん論文がJSTATに掲載!
馬蹄型事前分布によるスパース推定の統計力学的研究 2023年3月に卒業した長野くんの研究が論文として出版されました。次の二つの研究論文が発表されました。 Phase transition in compressed sensing with horseshoe priorYasushi Nagano and Koji Hukushima,Phys. Rev. E 107, 034126 – Published 17 March 2023 Effect of global shrinkage parameter of horseshoe prior in compressed sensingYasushi Nagano and Koji Hukushima,J. Stat. Mech. (2024) 053402 すぐに出版されると思ったのですが、そうはいかず、この解説もなかなか公開できませんでした。我々の問題ではなかったので、ちょっともやもやしますが… さて、長野くんの研究はスパース推定と呼ばれる推定問題に対する馬蹄型事前分布の方法という、ちょっ...
Read More市川くんの研究がAISTATS2024に採択・発表
Learning Dynamics in Linear VAE: Posterior Collapse Threshold, Superfluous Latent Space Pitfalls, and Speedup with KL Annealing 市川くんの研究が、The 27th International Conference on Artificial Intelligence and Statistics (AISTATS)に採択され、5月2日から4日に開催の会議で発表してきました,。当研究室としては、機械学習などのトップカンファレンスには縁がなかったわけです(物理の分野にはカンファレス文化はないのでね)が、市川くんが積極的に応募して、採択が叶いました。論文はこちらからも見られます。Learning Dynamics in Linear VAE: Posterior Collapse Threshold, Superfluous Latent Space Pitfalls, and Speedup with KL AnnealingYuma Ichi...
Read More土手さんのVertex Cover論文がPhysical Review Eに
Effect of constraint relaxation on the minimum vertex cover problem in random graphs Aki Dote and Koji Hukushima,“Effect of constraint relaxation on the minimum vertex cover problem in random graphs”,Phys. Rev. E 109, 044304 – Published 5 April 2024https://doi.org/10.1103/PhysRevE.109.044304 これは、この3月に卒業した土手さんの研究成果です。例によって周辺解説をします。 最適化問題は統計力学から見ると絶対零度極限に相当するので、熱力学極限での最適化問題の性質はFu-Anderson以来多くの統計力学的研究があります(こういうところにも出てくるP.W.Andersonはすごい)。Kirkpatrick-Selmanがランダム化された制約充足問題であるrandom SA...
Read More板尾くんと荒井くんが一高記念賞を受賞!!
一高記念賞は、「大学院総合文化研究科の大学院生と教養学部の学生を対象とする賞で、学業、課外活動、社会活動等において特に顕著な業績を挙げ、他の学生の範となった者を顕彰するもの」であり、博士課程・修士課程・学部でそれぞれ選出されます。 2023年度の一高記念賞を、板尾健司くんは博士課程で、研究テーマ「人間社会の多様な構造の生成原理:普遍人類学の構築」に対して、荒井大和くんは学部で、テーマ「行列乗算に対するフリップグラフ上の適応的探索アルゴリズムの提案と高速な乗算法の発見」に対して受賞しました。 おめでとう!!
Read More吉山くんのテンソルくりこみ群の論文がPhysical Review Eに掲載
吉山くんのテンソルくりこみ群による 古典フレストレート系の研究 今年の3月に卒業した吉山くんのテンソルネットワークくりこみ群を古典フラストレート系に応用した力作論文がPhysical Review Eに掲載されました。 https://journals.aps.org/pre/abstract/10.1103/PhysRevE.108.054124https://arxiv.org/abs/2303.07733 ArXiv版からはいろいろ修正されているので、出版論文の方をご覧ください。 この論文ではテンソルくりこみ群の方法を用いて、もっとも単純な古典フラストレート系の一つであるJ1J2イジング模型と呼ばれる統計力学モデルの相転移を調べています。この模型の絶対0度の秩序構造は自明にわかっていますので、自明でないところは有限温度でおこる相転移と言えます。これまでに長い研究で、多くのことはわかってきていて、例えば、この模型のJ2が大きい領域では二次相転移がおきて、その際の臨界指数が相互作用パラメータに陽に依存する独特な普遍性クラスに属することが示唆されたりしてい...
Read More新年度になりました…
3月には物理学会があって、研究会とかシンポジウムで講演とかあって、そして、三名の院生が博士を取得して卒業しました。ちょっとロス感があって、メンバー表の更新をそのうちします。論文も出たので、それも書いた方がいいんだろうけど。時間ができればちゃんと書きますよ。
Read More