2022年3月日本物理学会

残念ながら今回も対面での開催が叶いませんでした.これでオンラインが四回続きましたか.

研究室のみなさんは以下のように発表します.

私以外は順調に研究が進んでいます.このラインナップをみて研究室の特徴がでていると思います.何をやっているのかわからないけど,統計物理学の研究をしている研究室です.余裕があれば学会レポートも記してみたい.
私は計算が全然進まなかったので一回スキップしちゃいました.次回には面白い相図をお見せしたいと思っています.

3月12日Jrセッション

物理学会の本会に先立ち,前の週の土曜日にJrセッションがあった.審査委員と座長として参加した.このJrセッションの運営は年々充実してきて感心させられる.委員長の松川先生とスタッフのご尽力の賜物である.それで,このJrセッションを本会と区別した運営指針にするかどうかはいつも議論になるところだと思う.国内でも多くの高校生の研究発表会が開催されている.それらと同様でいいのだが,せっかく物理学会でやっているのだから,本会と同じ意識でいいのではないか?という考え方がある.つまり,「よく頑張りましたねー」的なコメントはやめて,質疑応答は通常でいこうということです.一方で,相手は高校生だから教育的指導も大事という考え方もある.どっちでいくのかは審査委員で意思統一されていないように思う.そういう私も態度を決めかねていて,中間的な振る舞いでした.基本はガチで質問するけど.

私が参加したセッションでは,もうこんなところで座長してないでちょっとくらい休んだほうがいいのでは?というくらい多忙な先生が座長をしていました.本会となんら変わらない口調で,ドライにツッコミをいれていたので質問された高校生はどう思ったか知らないけど,こっちは背筋が凍ってましたよ...

今回もオンラインでしたが,本会に近い感じでした.パラレルセッションの数が多いところも本会みたいで,ただ,それはちょっと残念なんですよね.先日,表彰式があったけど,表彰された発表を見に行けなかったので,どんな感じがわからなかった.ポスター発表なら,自分の審査が終われば,フラフラ見て回るんだけど,それができないのは残念です.一方で,各セッションのあとにしっかりとBOR(これがブレークアウトルームの略であることをこの学会で知る)の時間が当てられていて,おしゃべりする時間が合ったのはよかった.

ちょっと気になったのは,昨今のSDGs教育?のせいなのか,出口を設定しようとして苦しんでいる研究が散見されたこと.エネルギー問題がどうとか,防災がどうとか...それはとても大事なんだけど,面白いから調べてみる...という素朴なことで研究すればいいと思うのです.小学生の夏休みの自由研究的だけど,高校生の時点でいろんな勉強をした経験のあとだからこそ,できることはいっぱいあると思います.セル・オートマトンの研究をしていた発表を聞いたけど,これが何に役に立つとかも大事だけど,「ルールは全部でいくつだっけ?」と聞いたら「そのルール全部調べてみた!」って答えてきて、何が起きるか見てみるって,もうめちゃくちゃ面白いやん...と思ったのでした.

3月15日 情報統計力学セッション

学会が始まった.今回は通常セッションをほぼ3日で圧縮したために,通常考慮される重なり条件は考慮できなくて,裏で聞きたい発表が重複するケースが多かった.

3月16日 若手奨励賞受賞講演セッション

ここは私が領域代表だったこともあり、座長を務める。この受賞記念セッションを他の通常セッションとパラレルで行われることについて以前からずーと不満を述べているのだけど、スケジュールを組む上で余裕がないのでやむを得ない。普通に立派な研究ばかりで圧倒されてしまう。面白いのでついつい質問してしまうのだけど、ちょっと素人質問ばかりだったかもしれない。

3月17日 学生優秀発表賞選考セッション

学生優秀発表賞選考セッションは学生優秀発表賞に応募された学生さんたちの講演が並ぶセッションである.この選考でなければ,それぞれのセッションで講演するであろう発表を集めでどうするの?と常々思っていた.通常セッションの中で選考をすればよいわけで,審査委員があちこち巡らなければならない手間を省くための大人の都合セッションではないか?という疑問である.しかし,それはちがうかもしれない...と終わったときに思った.

これぞ、領域11セッションなんじゃないだろうか!もともと、領域11なんて、どこにもいけるけどどこにもいけない研究者の集まり。逆に言えば、このごった煮をごった煮のまま楽しめる研究者の集団だと思っていて、それを体現しているのが、このセッションだと思う。正直とてもおもしろかった!!専門のセッションで発表していれば、また別の議論が展開されたかもしれないけど、このままのごった煮のままでレベルの高い議論ができるのが本来の領域11のはず。今シリーズの一番セッションだった。

学会のあとに