今年も高校生理科研究発表会へ

千葉大学主催の高校生理科研究発表会は今年で13回.今年も審査に行ってきた.日本物理学会にも高校生の研究発表機会としてJrセッションがあるが,どうも話を聞くと千葉大学で物理学会があったときに千葉大が中心になってJrセッションをはじめたらしいです.確かに形式が似ている. 審査する数件の発表は聞いて,そのレポートを書いた後は,時間の限り発表を聞いて回った.高校生の発表への対応はいろいろと難しいこともあるが,結局は研究室の定例会での院生とのやりとりとあまり変わらない.思ったことと思いついたことはできるだけそのまま伝える.容赦はしないし,出し惜しみもしない.後者は教育的にはどうかなぁと思うこともあるかもしれないけど,こっちが思いついたことを黙っているのはどんな意味でも健全ではないし. 前半の最後で自分の審査外の発表を聞いたときことである.相変わらず誤差棒のないデータを見せられて主張どうこうのへったくれもないなーと,しかも,グラフのマーカーが◇マークに髭が生えててセンスないなーとも思っていた.ところが... 「これって何回測定したの?」「60回です.その平均値をプロットしていま...
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日本物理学会2019年秋季大会に参加

岐阜大学で行われた物理学会の年会に参加してきました.岐阜大学での物理学会は私が大学院生になる直前にあったようなので,ほぼ30年近くぶりです. 今回の学会では研究室のメンバーが発表しました. 吉山幸太:テンソルくりこみ群によるスピングラス系の計算手法の模索長野泰志:パーセプトロンのBayes学習におけるノイズあり教師の誤り訂正福島孝治:ポピュレーションアニーリングによる回帰モデル解析安倍雅史:生成物時間分析実験データのベイズ推論による解析 以前に書いてたような学会レポートを書くかどうか迷い中です...
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CECAMでの研究会に行ってきた

CECAM
今回初めて原子・分子シミュレーションのヨーロッパのセンターであるCECAMを訪問.主にはMDが主体なのだろうが,今回はモンテカルロ法の研究会で,研究会のテーマは, New methods in Monte Carlo simulations: parallel, adaptive, irreversible である.特に,population annealing(PA)と呼ばれる伊庭さん@統計数理研究所と2003年に提案した方法が最近ちょっと盛り上がってきて,それを精力的に使っているグループが集結することになった.私が10年以上さぼっていた間に方法論の細かいが大事な部分は進歩していて,並列計算に関する知見は高まったように思われる.例えば,有効粒子サイズの評価やadaptiveな温度ステップの調整である.我々も超並列計算でデータ科学をまじめにやるならPAだろうと思うに至って,ここに戻ってきたわけで,しっかりとそこには追いつきたいところである. さて,先月のサンタフェ(SFI)での会議はHotであったのに対して,今回の会議は「熱い」という印象を強く持った.この差をうまく...
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